エゾハルゼミの鳴き声で始まった『夏』  小鳥たちの歌声もあまり聞かぬ間に訪れた
『猛暑』 続く『残暑』  野鳥の楽園のこの丘が カラスアゲハ ミヤマカラスアゲハ
大発生で蝶たちの楽園となりました...... そして今 虫たちのすだきも止み 深まる『秋』
人々で賑い 全力で駆け抜けた『 2000年 夏 』 ちょっと味付して『特集』しました






ジョンにゃん次郎

何時だったか......お客様が入って来るなり、こう云いました。 「あの、
ねこ、、、あの猫いますか ! 」 この一言で『ジョンにゃん次郎』のラン
キング1位が決まりました。 「パインハウスのひとびと」に登場してい
た『ジョンにゃん次郎』がよほど印象に残ったのでしょう。、、、 確か
に『ジョンにゃん次郎』は不思議な猫です。 ある日を境に『静かなる
ジョンにゃん次郎』に変身しました。 悠悠自適、泰然自若、一歳に
成らずして、威風堂々とした風格を備え付けたのです。  ところで、
『ジョンにゃん次郎』を見ていて、....................こんな空想をしました........
神様に会ったジョン
ある初夏の朝、ジョンにゃん次郎はお客様と一緒にふらりと外に出た。
ジョンにゃん次郎は此の頃無性に外へ出たくなる。ペンションの窓から
陽光の降り注ぐ外を眺めていると、何かが自分を呼んでいるような気
がしてならないのだ......  ジョンにゃん次郎はペンション近くのいつもの
散歩コースを、いつもの様にゆっくり歩む、すると、行く手の草叢の一点
がキラリと光った。光はやがて周囲の陽光を集めて凝り、膨らみ、眼も
眩む輝きとなってジョンにゃん次郎を包む.............  ジョンにゃん次郎は
神様に会ったのだ。...............  ジョンにゃん次郎が会った神様、それは
『大いなるもの』 それは『この宇宙の真理』 ━  とてつもなく大きく、
とてつもなく小さく、未熟な人間の頭脳では想像することも出来ない。
.........この光に包まれた瞬間からジョンにゃん次郎の目には、生きとし
生けるものの全ての営みが、哀れにも愛おしく見えるようになった。....

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新メンバー



何のまえぶれも無く、ペルシャ猫の『ミルク』はデパートからやって来た。
7月始めのうだる様な一日、札幌のデパートへ買い物に行った妻と娘が
「檻に入れられて可哀相」と生後3ヶ月(オス)のペルシャ猫を買って来た。
真っ白なので『ミルク』と娘が名を付けた。7月始めのうだる様なあの日は
『ミルク』にとって幸福が始まった運命の日。 食べ物だけは豊富にある
我が家に来て、やはり栄養失調だった『ミルク』はどんどん元気に成った。

『ミルク』は毛の色が『ジョンにゃん次郎』と正反対のように、性格もまった
く反対。 優雅な姿に似合わず、ちょろちょろとすばしっこくて臆病者。食
は洋食派 (蓄肉好き)。甘え上手で、ペット猫は、生まれながらのペット猫
なのだ。 ........この『ミルク』が我が家に来たばかりの頃は、毎日いたずら
ばかりしていた。しかしあんまり可愛いので「ダメ、ダメ」と叱ることが出来
ず、「チャム、チャム」とつい甘い叱り方をしていた。それが何時しか『ミル
ク』の名前に取って代わって、今では『チャム公』とか『チャム吉君』と呼
ばれる方が多くなった。 ...この『ミルク』を『チャム、チャム』といって一番
可愛がるのが、何と犬派のオーナーだ。 仕入れに行く度に『チャム君』
の好物を買って来る。食事の度にひざの上に来る『チャム』に、自ら口で
砕いては分け与える。暇さえあれば抱き上げて話しかける。 ....もう目に
入れても痛くないような可愛がり方、、、、、皆に「お孫さんですか ?」と聞
かれて、まんざらでもない顔でニコニコしている有様だ、、、、、、、、、、。








「文春文庫」 「夢枕獏 著」 『陰陽師』(おんみょうじ) の第一巻第一話第
二章 ━ ひと月ぶりに何処ぞから帰ってきた安倍清明(あべのせいめい)
を尋ねて、武士の源博雅(みなもとのひろまさ)朝臣がやって来た。 二人
はさっそく酒を酌み交わし、一月間も安倍清明が何処へ行っていたのか
という話になる。 安倍清明は高野山へ行き、僧達と『呪』(じゅ又はしゅ)
のこと、特に『この世で一番短い呪』のことを話し合って来たと云う。.........
『呪』 ━ 『呪詛』の『呪』、『呪縛』の『呪』 ━ 人や物を捕らえ、その運命
までも縛り付ける『呪いの言葉』。......安倍清明は、この呪いの言葉『呪』
の『この世で一番短いもの』は『名前』だと教える。 ━ 人は勿論、あらゆ
るものも『名前』を付ける (付けられる) ことによって、その『名前』に縛ら
れるのだと説く。............確かにその通り、親が子に付けた『名前』はその
子に一生付き纏い、その子の運命をも左右する。 ..........『この世で一番
短い呪』=『名前』 .............ここまで読んできて、コンピュータ好きの貴方
なら、何かお気付きにならないだろうか ? ........「はっ」と合点が行かない
だろうか ? ................ パソコンを使って一つでもファイルを作った事が有
る方なら、直ぐに解かって頂ける筈だが、『ファイル』をコンピュータに認
識して貰う ( 管理して貰う ) 為には、『ファイル』に『名前』を必ず付けな
ければ成らないのだ。 日本語でも英語でもメチャクチャでも、ひらがな
でもアルファベットでも数字でも、、、 とにかく『名前』が無ければ『ファイ
ル』を保存出来ない。目的によって使える文字の制限が有ったり、コン
ピュータが勝手に記号を付けたりすることが有るが、『名前』を付けるこ
とには変わりがないのだ。 ..................私は、『陰陽師』のこの箇所を読ん
だ時、「なるほど....」「ファイルに呪を掛けるのか !」と、一人で大いに納得
したものだ。 ..........非科学的な『呪』と、科学そのものの『コンピュータの
仕組み』が、実は同じ事だったなんて、、、、、 平安時代も現代も「なん
にも変わっちゃいない」という気がした。    ...................................................

もうだいぶ前に『ロバート・ジャストロウ』が『もう一つの宇宙』という本
でこう書いている。コンピュータは複雑で煩わしい計算を人間の代わ
りにする『電子計算機』として人間によって生み出された。しかし、この
一見人間と全然違う『非生命体』の『コンピュータ』と『人間の脳』の仕
組みが、「実は良く似ているのだ」と指摘している。共に記憶やメモリー
チップの間を情報が弱い電流となって行き来しているところなど、全く同
じではないかと  .............. 又、米のコンピュータ学者の予言としてこうも
書かれている ━ 『コンピュータ』は「21世紀には平均的人間と同じ知
能を持つようになり、やがて自ら学習を始め、数ヶ月経つと天才のレベ
ルに達し、更に数ヶ月経つと、計り知れない能力をもつことになる。 そ
の後は、運が良ければ、人間をペットとしてそばに置いてくれるだろう」
と、.......  では、そうなったとして、人間はコンピュータに反撃する事が
出来るだろうか ? ......  答えは簡単、「コンセントを抜けばいい」のであ
る。......... が、『ジャストロウ氏』はこの後こう続ける、、、 「果たして人
間はコンセントを抜けるのだろうか ?」。.... 20世紀の終わり頃になれ
ば、コンピュータがあらゆる社会の中枢を担っていて、「もはや人類は
コンピュータのコンセントを抜くことが出来ない」と言い切る。 ...............
更に『氏』の予測は続く、、、 コンピュータが進化して、人間の全人格
を理解し、それを完全にコピーすることが出来るようになったら、 必
ずそのコンピュータに自分の全てを移入しようとする人間が現れる。
つまり、いずれ、 人間であり、コンピュータである『無機物で出来た』
新しい『知的生命体』が誕生することになる。 この新しい『知的生命
体』は『無機物』で有るが故に、『有機物』の『肉体』と云う『呪縛』から
解き放たれる。  .................... かくして、不老不死の『知的生命体』は
自らの姿を宇宙船に変え、壮大なる宇宙へと旅立って行く  ................